ボランティア団体への思い

その時・・ 浅田次郎 著 角筈にて という小説を思い出した・・幼い息子を残して蒸発した父親が、社会人になって日本を離れる息子と 思いでの場所である角筈で、ゴーストに姿を変えて再会を果たす物語です・・。

10月の下旬 中央区の福祉祭りが福祉会館と隣接する公園で、秋の日差しをたっぷり受けて賑やかに行われていた。私がお手伝いしている障害者ダンスのボランテア団体も日頃の活動成果を披露するために30名以上の会員が参加した。

AM10:00 主催者のあいさつの後、すぐに出番が回ってきた。会場いる参加者を巻き込んで、原住民の踊り、ミッキーマウスマーチなど最後にジェンカをみんなで踊った。楽しい時間を過ごした。控室に戻ってくると「見学者の中に理事長がいましたよね~!」といった目撃者が何人もいた。「体調を崩して欠席の連絡があったけど、よくなったのかね~ どうしてあそこで見学していたんだろうね~ あいさつに来てもいいものにね~」「ずいぶんやせていたよ~」といった話が聞こえてきた・・。

・・理事長が9月上旬に体調を崩して入院したとの連絡を受けて、お見舞いに行った。そのときはベットの上にきちっと正座して何やら難しそうな本を読んでいて、話もしっかりしていて元気そうに見えていた・・。

その福祉祭りの4日後・・理事長が自宅で亡くなっているのが発見された・・。

後日談ですが・・病院を退院後、長男の家で、養生をして元気になったので、自宅に戻ったと長男は葬儀で話されていました。もう少し自宅に引き留めておけばよかった!と後悔しておりました。・・たぶん理事長は子供に迷惑をかけられないと・・自宅に戻られたものと思います。

理事長は自宅で一人暮らしをしていたので、孤独死ということになりました。死亡してから二週間以上経過している状況で発見されたようです・・。

ということは・・福祉祭りの会場で何人かが・・見た理事長は他人のそら似であったのだろうか? それともゴーストの身で・・自分が設立したボランテア団体の晴れ姿を見にきたのだろう~か?

・・定例会の初めに必ず全員で合唱している会のテーマソングは理事長が会の発足当時に作詞・作曲した「一歩づつ」です。 鎮魂を込めてご紹介します・・。

ある日 僕は 鳥になって   大きな空を  ゆうゆうと

ある日 私は 花になって   広い野原を  いっぱいに

山や小川を風に乗って     トンボや蝶々に ウインクするの

そんな夢見てうれしくなって  のんびり行こうよ 一歩ずつ

 

ある日 私は 雲に乗って   しらない空を ゆったりと

ある日 僕は イルカに乗って 青い海を   すいすいと

カモメやヨットに手を振って  大波小波に  ウインクするの

そんな夢見てうれしくなって  のんびり行こうよ 一歩ずつ

 

あなたも私も君も僕も     みんな輪になり踊ろうよ

大きな輪になり        微笑みあって

のんびり行こうよ 一歩ずつ

のんびり行こうよ 一歩ずつ

                                                                         合掌