ときどきこんなニュースを耳にすることがある・・
今年は森のどんぐりの生育が悪く、クマやサルがふもとまでやってきては、田畑の農作物を荒らしている・・と。
樹木の本を読んでいたら、こんな記述を見つけた・・
・・ブナは文字通り「価値の無い」木である。江戸時代初期の白神山地はヒノキアスナロとブナの混合林であったが、年貢を木材で納めたことが原因で野放図な伐採が続き、有能なヒノキアウナロは失われ、木材として乏しいブナだけが残ったのである。近年では自然保護の象徴としてブナが脚光をあびるようになった。
このブナは数年に一度、かなりの範囲で一斎に開花する。一斎開花の年以外にもごく少数の個体が開花するが、ブナの場合はこうした年にできる実はほとんど虫に喰われてしまう。それに対して一斎開花の年には、実が結実しているものが多い。捕食者飽食仮説とは、開化しない年を作ることで、ブナの実に特異的な捕食者を減らし、一斎開化する年には捕食者に喰い尽くされないほどの実をつけることで種子の生存率を上げるというものだ。
・・日本の樹木 館野正樹 著 から抜粋
・・ブナの木だけでなく自然の中の動植物は、集団の力らを上手に生かし子孫を残す知恵と戦略をきちっと持っている。
一方で多くの知恵を授かった人間は、たくさんの情報に振り回されては、自分の生き方を複雑にしているようだ。もっとシンプルな生き方ができれば・・どんなに気が楽だろうか!!