おまえを見つめていると 私は男らしさをとりもどす
おまえの手はひびがきれ おまえのくちびるのわきには 小さなしわがきざまれている
おまえの心は日々の重みに すこしゆがんでいるかもしれない
けれどおまえをみつめていると 私はやさしさをとりもどす 一日の新鮮さをとりもどす
おまえをみつめていると おまえを守らずにはいられない あらゆる暴力から あらゆる不幸からおまえを守り
こんなにも 女らしいおまえを こんなにもゆたかなおまえを 私は愛さずにはにいられない
一編の詩がぼくにくれたやさしい時間 水内喜久雄 編集