まどさん 100才100詩集

h22423.jpg 題: おみやげ

なんだか 足が軽いと思ったら

さっき電車の中で

知らないよその赤ちゃんが

笑いかけたのだった

わたしを見て

嬉しくてたまらないように

 

その笑い顔を

いつのまにか 胸にかかえていて

それで 夜道の足もとを

てらすようにしながら

わたしは急いでいるのだった

 

父がいなくなった家で

ひっそり 待っている母に

そのおみやげを

はやく見せてあげたくて