求めない 加島 祥造
加島 祥造著 求めないーーーー なんて言葉をつらねて あなたに聞いてもらうことを 私は求めている。 たしかにその通りだけれど あなたが聞き捨てても 不平は言わない。 聞き入れられなくても 不満を持たず 悲しがらず 怒 …
加島 祥造著 求めないーーーー なんて言葉をつらねて あなたに聞いてもらうことを 私は求めている。 たしかにその通りだけれど あなたが聞き捨てても 不平は言わない。 聞き入れられなくても 不満を持たず 悲しがらず 怒 …
求めない---- すると ひとの言うことが前より よく分かるようになる そして ひとの話をよく聞くようになる すると ひとは とても喜ぶものだよ 求めない---- すると ひとは安心して君によってくる 求めない-- …
題:友について 必要な鈍さ いつも敏感で鋭くある必要はない。 特に人との交わりにおいては、 相手のなんらかの行為や考えの動機を見抜いていても 知らぬふうでいるような、一種の偽りの鈍さが必要だ。 また、 言葉を …
くち まど・みちお著 いわなかたことは いったことの たいがい いつも なっばいかだ それに いったことは たいがい いつも いうまでも なかったことだ で くちも くちで ありうるわけか こんなにし …
『自分の番』 詩人相田みつお うまれかわり 死にかわり 永遠の過去のいのちを 受けついで いま自分の番をいきている それがあなたに いのちです それがわたしの いのちです 現代人は、あまりにも生きている人間ばかりに焦 …
太陽と地球 まど・みちお 著 まだ若かったころのこと 太陽は気がつきました わが子 地球について ひとつだけ どうしても 知ることのできないことが あるのを・・・ それは 地球の夜です 地球の夜に どうか安ら …
題: 水道のせん まど・みちお著 水道のせんをひねると 水が出る 水道のせんさえあれば いつ どんなところでも きれいな水が出るものだというように とおい谷間の取入れ口も 山のむこうの浄水場も 山の上の配水池も こ …
題: おみやげ なんだか 足が軽いと思ったら さっき電車の中で 知らないよその赤ちゃんが 笑いかけたのだった わたしを見て 嬉しくてたまらないように その笑い顔を いつのまにか 胸にかかえていて それで 夜道の足も …
題: 昨日はどこにもありません 三好 達治 昨日はどこにもありません あちらの箪笥の抽出しにも こちらの机の抽出にも 昨日はどこにもありません それは昨日の写真でしょうか そこにあなたの立っている そこにあ …
題: 父に 江國 香織 病院という 白い四角いとうふみたいな場所で あなたのいのちがすこしづつ削られていくあいだ わたしはおとこの腕の中にいました たとえばあなたの湯呑みはここにあるのに あなたはどこにも …